今日は、明日に備えて「石(灯篭)を割る日」です。重機で入れない奥まった場所にある巨石は割って手で運ぶ必要がありますし、重機で安全に持ち上げられないサイズの超巨石も割る必要があるのです。私は人生の中で石を割った経験などないのですが、この震災で初めて覚えて実践しています。氷見市で外構エクステリアの会社を経営されている「(株)H.S.Fine」さん。そして、魚津市で護岸や道路擁壁などの石積などを手掛ける「(株)石工中村」さんから石の割り方と言う物を目の前で見せて頂き、見よう見真似で行っています。H.S.Fine様や石工中村様には本当に感謝なのです!!何十年も培ってきた技の一部を、惜しみなく我々ボランティアに教えて下さった事…本当にありがとうございます。
後程成果も日報に書かせて頂きますが、能書きはさておき…志賀町の災害ゴミ受け入れがとんでもない状況になっています!?。
合併で大きくなった志賀町には、二か所の災害ゴミ仮置き場が設置されていました。今回、町内北部の被害に対して迅速に支援を行うべく、志賀町社協さんは拠点を北部地区「富来(とぎ)」へと移動。私の暮らす?氷見ベースからは更に45分ほど遠くなりますので、内心「毎日の通勤が大変だなぁ…燃料代大丈夫かなぁ」と頭を悩めていました。ですが!それ処ではない問題が今日解りました…。
「富来地区のゴミ仮置き場には、灯篭やコンクリート類を捨ててはいけない」と言うルールが敷かれたのです。つまり、より被害のある北部地区に拠点を移動しているのに、捨てるのは車で片道45分程度南の場所まで行かないとダメ!?…。
とにかくその事を伝えられたのが富来のボラセンに着いてから…と言うのもガッカリです。七尾の「手降ろし!」の時も同じ心境でしたが、どうも何かが間違っているようにしか思えません。「ゴミ置き場の地面を痛めてしまうから重量物は富来には捨ててはならない」と言う発想なのでしょうが、災害復旧と言うのは自治会の廃品回収とは違いますよね?激甚災害からの復旧!復興の為にゴミを出さなければならない状況下で「仮置き場の地面が荒れるから…」っていうのは、…ちょっと違う気がしませんか?。鉄板敷いたり、全て終わってから再舗装しても良いのでは?何て思います…まぁ~でも行政サイドのご事情もあるのでしょうかね…。
(※後に富来野球場でも再びコンクリート・石材を捨てられるようになったそうです。)
更に、ゴミ置き場は日曜日お休み!だそうです…。ちょっと待ってよ(^^;・・・一般ボランティアさんも、生活をしながら片付けしている被災者様も、日曜日こそゴミを出したいんじゃないんですか??。んんんん…私はお手伝いに来ただけの部外者ですからこれ以上は言えませんが、ちょっとおかしいんじゃないの?とだけ言っておきます。
さて…気を取り直して灯篭を割ります。
まずは「№2079」。四等分だと重いかな?と思ったので8等分に粉砕しました。
続いて「№2093」の現地調査に行って依頼者様に搬出手順をご説明。重機で庭を走るとキャタピラの痕が残りますよ~と言うような事も詳しく説明して、了承を得る事が大切!。OKを頂いたので明日一気に搬出!!
更に「№1759」の巨石を3個に割ります。これは割らないと重機で持ち上がらないのです!。と言う訳で、明日の仕込みが整いました。
朗報もあるんです!!明日、何と武田さん(氷見で私に一番最初に話しかけてくれた方…〝19年豪雨災害で長野に駆け付けてくれた柔道整復師!武田整骨院院長〟)と、氷見市社協の山田さん(私が勝手にダンプの魔術師!と呼んだ凄腕の方!)が応援に名乗りを上げてくださったのです(涙)。ありがとうございます。
明日の作業の仕込みをすべて終え、氷見に向けての帰路…。帰り道沿いにお住いの「ころ柿」を作っているお母さんの所に、お葉書を頂いたお礼もしたかったので寄らせて頂きました(^^!。こちらのお母さん、文章も素敵なので「文学系の方なんだろうなぁ~」と思っていましたが、まさにその通り!!ずっと幼児教育の先生をされていたのですが、どうしても図書館司書になりたくて50歳から勉強をして夢を叶えられたそうです!。今は文芸系の同人誌を制作したりもされています。
今日、突然こちらのお母さんの所へ寄り道をさせて頂いたわけですが、開口一番に「櫻井さんの事を書いていたところですよ!!」と驚かれていました。何だろう??と思ってお話を伺いました所、来る7月11日(木)「石川県立音楽堂」にて開催される「100人の声、命を読む」の朗読原稿を見せてくださいました!(下の写真は原稿の最終部分です)
朝は志賀町のゴミ捨て場の運用に愕然とし、午後は案件リサーチのいい加減さに怒り心頭し「俺…なにやってんだろう…」とさえ感じていたのですが、このお母さんの思いに触れ、私がココに何をしに来たのか!と言う本質を思い出し取り戻すことが出来ました。
と…私自身もモチベーションを取り戻し、本質に立ち返りながら久目地区交流館に戻って来ました。私は久目地区の皆様にお世話になって大切な交流館(旧 久目小学校)を利用させて頂いていますから、出来る限り地元地域で燃料を入れています。久目地区唯一のガソリンスタンド!ほとんど毎日給油に伺っています。
「今日はどこまで行ったんですか?」などなど、とっても気さくにお声がけ下さいます。「お風呂はどうしてるの??」と聞かれたので「交流館のシャワーとかです!」と話しましたら、「ちょっと待って!!」とスタンド事務所に飛び込んで行かれ、「これ!無料券(^^!使って~!」と、入浴券をくれました…。こんなの泣くだろ(涙)。燃料入れて涙流してるのも変なので、そそくさとお店を出ましたが、本当に嬉しかった…。
余りにも変な改悪を提示してくる行政に対し、非常に頭にくる一日だったのですが、「ころ柿のお母さん」そして「久目地区のガソリンスタンドさん」に、私は私が今なすべき事を思い出させてくれた気がしました。ありがとう。
私を被災地に送り出してくれているたくさんの支援者様、カンパをくださっている皆様…「皆さんと駆け巡っている!そして今手助けを必要とされている方に誠心誠意向き合う為にここに来ている!送り出されている!」と言う基本に立ち戻れた瞬間でした。そして、こんな劣悪な環境の中にあっても町民様からの「助けて」の声に答えようと挑まれている志賀町社協の役に立つ事が、今の自分の成すべき事。理不尽な事への怒りはありますが、その怒りに支配されてたまるか!。そんなふうに思えた夕方。
たぶん見る人は少ないと思うけど…石割動画です。あえてBGMなし…。
正直、これを見て下さる方はほとんどいらっしゃらないと思いますが…ハンマードリルや発電機の騒音もありますので音量ご注意ください。