昨夜、某社協の駐車場に「ホテル・ダンプイン」を設営して日報を書きながら焼酎を頂いておりましたら、物凄くハツラツとしたお声で「こんばんは!」とお声がけくださった方がおられました!車には災害支援車両のステッカーがありましたので、すぐにボランティア活動の方だと解りましたが、明日(本日2日)は氷見ボラセンがニーズ調査日でお休みです。せっかく来て下さったのに困ったなぁ…と思っていたのですが、お話を伺ってみましたら「現職消防士さん」更にNGOとしても9.11でも活動されたエキスパートなんです。
「日本警察消防スポーツ連盟」事務局長、そしてNGOセーフティー・フューチャー代表の 志澤公一さん(現職消防士)と言う方でした!大学でも教鞭をとられています。
今日は氷見市社協の一般ボランティア活動自体はお休みですが、明日明後日の土日に多くのボランティアさんが集まって来て下さるので、皆様が瓦礫(御影石のブロック)を運び出せるように準備をする予定でした。「他にボランティアがいない=私一人で重機作業」と言う状況となりますし、市道とは言っても生活道路なので非常に気を使います。そこで!志澤さんに「ご一緒頂けないでしょうか?」とお願いをしましたところ快諾!安全確認のプロフェッショナルに誘導頂きながら迅速に作業を進められました!。ただでさえ消防士さんと言うのは毎日がトレーニングみたいなご職業だと思いますが、志澤さんのパワーは凄かった!(笑)私よりも4歳先輩ですが、いやぁ~~!現職消防士のパワー…恐れ入りました!。
▼ 志澤さんが撮影くださった写真になります
お声がけ頂いて数時間後にはもう自撮り2ショットなんですよ(^^!これって同じ現場を一緒にクリアして行く仲間ならではの以心伝心と言うのか?そんな不思議な思いを感じました。先日の七尾での作業もそうでしたが、人間って一人じゃ一人分以下のパフォーマンスなんですよ…でも二人になると2.5以上のパフォーマンスになっちゃうんですよ!それが3人、4人になったら、二乗の如くパワーパフォーマンスが上がっていくんだなぁ~。(なんかちょっと相田みつを風かな?)
志澤さんは消防士ならではの技能を生かし、例えば倒壊家屋の住人様に対し「金庫を取り出してほしい…思い出のアルバムを取り出してほしい…通帳を取り出してほしい…」と言ったご要望にお応えできる特殊技能チームをボランティア派遣できるお立場にあります。それなら!と氷見市の倒壊家屋や甚大な被害が出てしまった地域をご案内させて頂き、住民様にお声がけさせて頂きました。
▲ NHKや新聞記者さんの取材。志澤さんの活動の重要性・必要性をお話しいただきました!
いや、人間ってね…やっぱ大事な物ってあるんですよ…。断捨離とかなんとか言ってますが、人にはそれぞれ掛け替えのない思い出の物や、大切な物もあるんです。それがいつ消失してしまうか分からないと言った状況で、お家を離れて避難所に行かれるのはどんなにお辛い事でしょうか…。
また、こう言った時には「火事場泥棒」も頻発します。人として最低最悪!むしろ人として認識したくないレベルの輩もいます。そんな被害に遭ってしまう前に、大切な物を引っ張り出す活動を唯一行えるのは、消防チーム主体のボランティア団体しかありません。さすがに私にはこれは出来ませんし、一般NPOでもこの部分を行うのは危険すぎます。専門性の高い特殊訓練を日々行われている方にのみ行える活動です。
氷見に限らず、このような事でお困りの方は、志澤さんにお電話・メールをされてください。全国に1.000人以上の会員を抱えておられる現職消防・警察ボランティア団体ですので無料です。連絡先はHPより「日本警察消防スポーツ連盟」事務局長宛てにご連絡ください。
この地域を歩いてニーズ調査をする中で、一人暮らしのおかあさんが私のダンプのナンバーを見て「長野から…遠くから本当にありがとう…」とご挨拶くださいました。お母さんに「お困りの事ありませんか?」と尋ねましたところ、「家の戸が開かなくなっちゃってね…」と仰っておられたので見に行きました。家が8度程傾き歪んだために戸が開かないのです。お母さん一人がやっと通れるくらいしか開きません。でもお母さんは「私はもう一人やし、このままでええ」とため息交じりに仰っています。でもどう考えても、こんな傾きのある建物に暮らすことが良い訳がありません。かと言って、これを今から自力で直すのは大変です(各工務店手配や費用等)。国政・行政の出番なのです。ちゃんとやってくれるんでしょうか??何か私は今の政治と言う者を見ていると(政治家を見ていると)、猜疑心しか感じないんです。こんなお母さんを守れる社会を作るのが本来我々日本人の目指した美意識ではなかったんでしょうか?。いつのまにか人生を「勝ち負け」でしか判断できなくなって「損得」でしか動けなくなって、それに沿った生き方しか選べない日本を作り上げてしまいました。人生だの個性は自由で結構ですが、母さんを悲しませる日本は本当の日本じゃないんです!偉そうに論じてしまい本当にごめんなさい。でもそれが私の本音ですし、このボランティア参加の一番の動機です。
志澤さんもそうですが、氷見市社協の皆様の地域に根ざした救援活動には本当に頭が下がります。氷見市は石川県と富山県の隣接地なのですが、こんなにも県行政で差が出るものなのか??と思うほど、氷見市(富山)の社協と住民様の連帯感は素晴らしいのです。本日最後の案件…一人暮らしの方のお家の各所フォローです。
これもね…何て言うか…1~2日で終わっちゃう案件なんですよ。でもね、被災された方は不安で心配で心細い訳ですよ。だから敢えて1度でババーっと終わらせないんです。毎日ちょっとずつ顔を出して話を聞いて「明日ココ直しますね!」と約束して…それを繰り返されているんです。氷見市社協職員の澤田さんは普段は学童保育の先生なんですが、彼はそんな地域に根差した福祉活動と災害支援を同時に行っています。「早く片付ける事だけじゃないんです!」澤田さんの地域福祉の姿勢に脱帽なのです。また、他の職員様方の連携やサポートが凄い…。全員の職員さんの名前を書きたい位なんです。
災害なんて最悪です…こんなの無い方が絶対いいです。でも困難でどうしようもない程の状況にあっても、必ず人がいる!お役に立ちたいって願っている人がいる!何とか良い方法がないか!?と一緒に考えてくれる人がいるんです。もしも災害と言うものを唯一受け入れる(肯定せずとも)事が出来るとしたら、きっとそんな部分なのではないでしょうか?。今日の志澤さん(消防士)澤田さん(氷見市社協)の対応を間近に、そんな事を感じた一日でした。
▲ 昔から「仕事してるフリだけは上手い」私…。
▲ 写真左から氷見市社協澤田さん、依頼者様、「日本警察消防スポーツ連盟」事務局長の志澤さん。