2022年7月7日~8日「楽病風に逆らい七尾湾能登島一周したログ」(筆者:レプトン)

航行艇:レプトン21 2022年7月7日~8日のシングルハンド(単独)による航行ログです。

楽病風(らくびょうかぜ)に吹かれた、三食昼寝付きの快適空調生活をしていると、ひたひたと楽でないことをしたくなくなる。楽病風とは、でっち上げの語で、面倒な事や疲れることをしたくなくなってくる時に使う語です。まね元はは臆病風です、これは怖くなってやめたり、おじけづく時に使う語です。どちらの語も自己能力を高めたり、未知なものを知ろうとしたり、進歩していく時の苦労を止めさす風です。人はついついこの風に吹かれで動かなくなる。良いのか悪いのか。

ヨットで知床岬へ行きたくて準備をしていたが、楽病風に吹かれてとん挫した。しかし少し時間が経つと、人は良く出来ていてとん挫反対勢力がじわりじわりと巻き返しに出てきた。それもそうだ、反対勢力に賛成して久しぶりに出てみようと思い七尾湾を周ることにした。

<あらまし>
2022 R4 7/7(木)石田フィッシャリーナ出港10:00→32nm 和倉温泉港着岸16:00
2022 R4 7/8(金)和倉港出港04:20→11nm 七尾湾大口06:45→28nm 石田フィッシャリーナ帰着13:00

2022 R4 7/7(木)石田フィッシャリーナ→和倉港

今日は孫と一緒に七夕飾りを神明神社へ持って行く日たが楽病風に逆らうために海へ出ることにした。SCW予報では10時まで向かい風、出港を10:00にして石田を出る。北4m 波0.6m 晴れ 針路320˚、暑いが猛暑ではない、汗をかいた体に風が気持ちいい

10:50 左舷に見えた小さかった本船がいよいよ近づく、富山港を出てきて巡航に入った態勢だろうか、保持船でも数千トンの船に対しては減速して前を通っていただく、過ぎていく船の船名を見ようと双眼鏡を向けると船尾に東京の文字だけが読めた、煙突のマークはT、タンカーです。
11:30 正面に梵天が有る、こんな沖にも漁仕掛けが入っている、カニかバイ貝だろう。-10˚ボタンを押して避ける。

▲ 広い海なのになぜかこうなる、夜は見つけれるかなー。

▲ 今まで不思議に目に入ってくる梵天、いつか突っ込むかもしれない。(フェンダーの上に)

11:40 昼食、7-11の「お出しが香る炙り鶏特製親子丼」と炭酸むぎ茶&スコッチ。親子丼は柔らかくスイスイのどを通って行くスコッチにも合う、手すりに付けた屋根の下で食べたが具合が良い、何といっても日陰です、笠を外してコックピットに渡した板に座り前が良く見え見張りも楽だ。この屋根はコックピットで動くのに邪魔だが総合で少し良いかな(暑い日と雨の日)少しして風は東寄りになる、スタボクローズリーチ NNE4m 5.3kt うねり0.5mで心地よい揺れ、ちょっと寝るか。

▲ 食べる時に丼の具をご飯にかける、作り立てのようで良い感じ、でもプラゴミが増えるな。

13:10 チラリチラリと白波が出てきた、NE5m、風は東に寄り、強まろうとしている。
14:30 七尾湾小口航路右浮標2番と左1番の間を通過、湾に入ってホッと安心する。風が止まりジブをしまう。日差しの強い天気だが七尾の街も目指す能登島大橋も霞んで見える。ここまでで楽病風で嫌になる事は無かった、暑いのは楽な事ではないが、この位なら大丈夫。
16:00 和倉港着岸、岸壁は貸切り、暑くて誰もいない。しっかり舫ってから高級旅館加賀屋の前を通り総湯へ行って汗を流す。帰りにスーパーで弁当3個と冷えたビールを買い冷たいうちに船へ戻る。灯のついた加賀屋を見ながら最上階に泊まった気分でビールを飲む、うーんここはいい泊地だ、風呂 トイレ 買い物 景色どれも文句なしです。

▲ 小口航路へ入る、左の斜め手すり横に1番浮標、右のV型シュラウドの間に2番浮標

▲ 小山の左下の小さな突起が小口航路指向灯台、夜の照射を見たいものです。

▲ 強いい日差しに焼かれながら能登島大橋に近づく。

▲ 洋風幕の内弁当が夕食、具がにぎやかに入っていそう、ゆっくりいただきます。

▲ 19:40 夕食を頂きました、気温が下がり風が心地よい、景色を見てたたずむ。加賀屋さんのお客さんが少ない、コロナ病のせいですね。

2022 R4 7/8(金)和倉港→ツインブリッジ→北湾→大口→石田フィッシャリーナ

04:20 和倉港出港、昨夜のSCW予報通りで風は無い。辺りは見えるが日の出前で航海灯を点ける。海は静かで寝ているようだ、ツインブリッジの閃光灯が気分をピリッとさせる。雲量10、北2m 機帆走4kt
05:10 橋を抜ける、橋台の海面すぐ上に二個づつ点いている電燈の色が白熱灯色でほのぼのと良い感じ。青島の北へ向けるのに先を見ていたら海面に小波が、暗礁かなと思うと同時にイルカのヒレが走った、一瞬ドキッとした。

▲ 見返り和倉温泉

▲ ツインブリッジ手前の左舷側にはカキの養殖網が広く入っている、浮き球が大きい。

▲ カキ網を過ぎ1時方に孤立障害岩礁列が近づく、一番手前の岩に標識が立っている。

05:30 青島の北2~300mを通りそこから北の二子山に向け進み北湾へ出る。正面に穴水へ入る湾口が分かる、右手は大口だ、大口の水平線だけがピンク色に明るくなっている。能登島水族館沖に並ぶ島々も見えている。
06:45
 大口を出る、風弱く風見は正面を指す、10時方にせり出した遠い岬は小木港だろうか。
大口の外は定置網が濃い、網に当たらない通路を船ナビに線引きしてある、その線から外れぬよう目を凝らす、周囲の海面にも目をやる。細長い草やホンダワラが流れてくる、スクリュウに絡んだ草をボートフックで取るのだが、船外機ならではのお手軽仕事で苦にならない。
07:00
 定置網から抜けた安全点に出た、海だけが水平線まで広がり、帰る先の石田が雲の奥に
見える気がしてうれしい。

▲ 北湾に出て大口へ向かう、大口が薄いピンク色になっている。

▲ 大口を出て振り返る、昨年9/28は地肌だった山にソーラーパネル?が付いたようだ。

07:50 母港石田へ舵が定まった、ヨットがしたくて出ているのに石田へ向うと心がホッとするのは何なのだ、昔々東京に出て帰るのに上野駅構内へ着いた時、これで帰れるという思いが湧いて安堵した、それと同じ種類の感覚だろうな、楽になったところで朝食だ、昨日買ったのスーパー弁当ガパオライス(タイ料理だと後日分かる)卵と肉のそぼろがかってうまそう、食べやすそうだ。それに冷たい炭酸麦茶も有ります。日が射してきた、またこれから暑くなるのか、耐えて帰ろう。右手に昨日入った小口航路のガスタンクの頭が濃い能登島の後から見えてきた、黄緑色なのでよく分かる。

▲ ガパオライス?、小さめなので朝食にちょうど良い。

10:00 いよいよ暑くなってきた、手すり屋根の日陰へ座る、ここは少し楽だ、笠も取れる、風なし波なし、コーラを飲む、強烈な炭酸で目が覚める。
10:20 遠くにいた小型船が右舷から近づいてきて衝突コースになる、相手は保持船だがセールを上げたヨットを見れば帆船と見て回避する船が多いのだがまったくその気配が無い、こちらが速度を下げ前を横切ってもらう、50フィートくらいの釣り船でした。僚船もいて一緒に一帯を走り回っている。最後は左右後方から並んでこちらを挟むように追い越していく。何となく中共海警局船を思わせた。

▲ 大きな釣舟、ラフで危険な感じがした。

11:00 北東の風がソロソロと吹いてきた、海面がまだらに黒くなっている、帰る石田の森は遠いがしっかり見える。すぐにジブを出し帆走、1.2ktだ、ハアー風は又止まった、エンジンで行こう。あと少しで帰り着くが楽病風に吹かれて嫌になる事は無かった、しかしこれが2ケ月も続くとなると楽病風の風が効いてくるのは想像できるが、最初の夢を大事にして、あまり神経質に考えないで出発するのが良いのかな。不具合が出てくれば港々で手が打てるので深刻にならないでいいのかも。太平洋横断とは違いますよね。
11:50 海が黒くなった、エンジンを切り帆走する、北東の風が冷っぽい、船速1.8kt、13時過ぎの入港予定にしてのんびりセーリングをしよう、夏の日射しと秋のような北東風で。

▲ 薄いモヤを通して母港石田の森が見えている。

13:00 石田フィッシャリーナ帰着