2007年5月の海

2007年夏。入院先の病室で妻が亡くなりました(享年29歳)。私がまだヨットに乗りたての2004年5月、遠路はるばるヨットに乗りに来てくれた女性…それが妻でした。2004年に結婚して、新婚旅行は2005年「富山湾横断」でした。いつも本当に朗らかで笑顔が基本の顔…と言う感じの女性でした。
結婚してたくさん一緒にヨットに乗りました。船酔いしながらも、私のこの「困った趣味」に精一杯付き合ってくれました。僅か3年足らずの時間でしたが、私は彼女からたくさん幸せをもらいました。

辛い・悲しい・虚しい・切ない・・・そんな事は当然の感情ですので、わざわざここで書きません。

当然の事ながら、ヨットの事など脳裏からすっかり消えていましたし、HPを管理していた事さえも忘れていました。だらしがないかも知れませんが、半年間は仕事も全く手につきませんでした。こんな時、ヨット仲間・先輩方々のメッセージにどれ程助けられた事でしょう…。本当にありがとうございました。

最初は「亡くなった方の為にもアナタが幸せに生きなきゃだめですよ」と言う意味が解らなかったのですが、冷静に考えてみると確かに…「私が妻の死に悲嘆し続けて生きることを、亡き妻が望むはずがありません」。それをリアルに理解・納得するまで4年程掛かってしまいましたが、私は精一杯自分の人生を生きる!と決めて再スタートをしました。上手く言えませんが、悲しみと幸せを分離させる必要など、そもそも無いのだとも感じました。
私もいずれ必ずこの世を去りますから、その時に三途の川をヨットで渡ってやろう!と思っています。その為にも、もっと練習しないとね。

当時のHP(旧 Water Sound)では時々記事にも出させて頂いておりましたが、2014年…出逢って10年と言うこの節目に、HPからは記事と写真を消しました。私自身の中に存在し続ける「ログ」にしようと思います。
でも、HP復刻再編にあたり、この一枚だけ、ヨットのキャビンとHPの片隅にそっと残しておきます。ありがとう。