2018年4月20日「春の親不知(おやしらず)漁港行ログ」(筆者:レプトン)

春の親不知(おやしらず)漁港行ログ

桜が散って間もないのに初夏のような日差しです。天気予報は半袖でも良いような日が続くと言っている。
海象を調べると、具合は穏やかで初心者でも心配ない、さっそく角マ丸さんと行き先を相談する。
今年の行きたい候補の中から、新潟県の親不知漁港へ行く事に決まった。
そこまでの距離は21nm、4ktで5時間、日頃は富山湾内の航行が多いので、日本海を少しだが北上するのは新鮮である。陸に沿って行くので街が続く様子を海から見れるのも興味のあるところだ。

2018 H30 4/20(金)
石田フィッシャリーナ出航4:50ー親不知漁港着岸9:30ー同離岸10:50-石田フィ帰着16:05
出航の5時に合わせ4:10に家を出る。
海岸の道からは漁船の電灯がまだ暗いの海に鋭く、思いのほか沢山光っていた。

準備の出来ていた角マ丸に乗せて頂き後進で離岸。ちょうど出船ラッシュだ。こちらへ向かってくる釣り船3隻に先を譲り、慎重に回頭して港口へ向かう。
メインセールを上げて生地鼻へ向ける。薄明るい海を釣り船があちこちに動き回って落ち着かない。
予報では「晴れ」の一文字だったが朝は全天薄い雲が覆っている、風も弱くエンジン様さま走。

5:45
生地鼻を過ぎる、北アルプス北端の黒菱山から日が昇る。大きな白い屋根はYKK越湖工場

6:40 入善の風力発電塔沖、南東4m 波0.3m、機帆走5kt
天頂にだけ、小さな青空が見えるが相変わらず暗いマイナーな雰囲気、ちょっと寒いのでパーカーを着る。

7:30 宮崎漁港沖2nm 南6m 波0.5m 帆走4.5kt
風が吹いてきた、ご丁寧にも真後ろからだ、ウィスカーポールを出して観音開きで走る、ジャイブしないように
少し陸へ向ける。小さな波のくせにあちこちで波頭がぺろりペロリと白波になる、もぐら叩きのモグラのようだ。

宮崎漁港を過ぎると港の家々が山すそにうずくまって見える、すぐ後ろの山は新緑の明るい緑が目に付き春になっている。ところがほんの少し目を上げると山肌に雪が残り、まだら模様になって、どこまでも水平に広がる。
またそのすぐ上からは白い雪山がどっしりと重なって有る。
海抜0mから春が攻め上がって500m辺りが、今正に季節交代攻防戦線なのか、自然はよく出来ているものだ。
ここでやっと雲間から日が差して暖かくなり、ホッとする。

8:00 境川沖1.5nmを過ぎる、南5m、エンジン回す。県境の境川、V谷の左側が新潟県です。

5時方向に振り返る。
城山から右へ下り、崎が宮崎漁港。

8:45 天下の険沖1nm 機帆走5kt 
追い風なので風速をさほど感じないがGPSは5kt超を示す。帰りは向かい風になるのだが予報では14:00前に風が北東になる。うまく風が変わってほしいものです。
日差しが出て青空が広がるが辺りは春霞で遠くの山は霞んでいる。カスミかモヤか雲か、今ひとつ春の風情を感じないのは黄砂が入っているからかもしれない。

天嶮の先に目をやると、北陸高速道路がトンネルから出て、海の上を走っている。高い橋脚が連なって海から出て道路を支えている。その先で道路は又山腹に消えている。
こんな海の中によくもまあー、コンクリートですごい物を作るもんです、本当に感心します。
目指している親不知漁港はここの高架の下に有るのですが、まだ遠くて分かりません。

天嶮沖、現代春霞黄砂入り

親不知港へ向く、海の上の高速道路が近づく

9:30 親不知港着岸、日本海にはみ出た防波堤がデカイ。
白灯台の下高さ10m以上は有る、奥行きも二段に分かれて積み上がっている。釣り人が二人いる、高所恐怖のやばい釣り場だ。

静かな港、奥の船溜りへ入り一周見学後出て、外溜りで漁船のじゃまにならないビットへ舫う。
入港に集中していたのか、日差しが強く暑い。着ていた物を脱いで初夏モードなる。
予定より30分早く着いて順風に感謝、気持ちも軽く高速道路下の親不知ピアパーク海の駅へ向かう。
快適なトイレで更に軽やかになり、景色を眺める。ここの浜は海水浴場で夏はとても賑わう所だ。
この時、石田港ハーバーマスターから電話がくる、状況の確認と海象案内だった、ありがとうございます。
船に戻って昼食をゆっくり食べる。往路、復路、海象、魚の話で盛り上がる。

右奥の防波堤が高い10m以上有る

海の上を走る高速道路

10:50離岸
振り返ると山が迫って、海には高速道路橋脚が林立してダイナミックな風景の親不知漁港でした。
港口を出ても海は穏やかなままでいてくれました。だから、風は正面から来ています、メインセールは真ん中ではためき、機走。
昼食後レプトンは昼寝のくせが有って、キャビンで寝かせていただく。
小さい波だが波長と共振してピッチングが大きい。船底が叩かれ大きな音も出て楽に寝れない。

山とコンクリートと海

12:30 境川沖1nm 西2m 波0.2m 機帆走3.7kt
風は西になったが弱い、エンジン音は軽く、調子が良さそう。日頃の整備が良いのでしょう。
(13:00頃、釣り糸巻き装置の一部が折れて鰆と格闘になりました。詳しくは近いうちに。)

14:00 横山沖0.5nm 北2m 波0.3m 4.2kt機帆走
海にやぐらが立っている。海岸から0.2nm 四本のパイプで組まれてH型に見える、中央にもパイプが有る。
傍に赤と白色の支援船がついている。どうやら地質調査のようだ。

15:00 黒部川沖0.3nm 北3m 波0.3m ランニングの機走で4.3kt
春の力が北アルプスの山々をやさしく包んでいる。山並みと空の境が分からない。山は空に移り空は山に溶け込んでいる。あーーあ、春だ。

16:05 石田フィッシャリーナの定位置に角マ丸帰着。