次亜塩素酸(除菌液)を強アルカリから弱酸性にしたい(前編)

再びヨットに全く関係のない「次亜塩素酸ナトリウム」ネタです。でも船内の消臭除菌にも使っているので全く関係ない訳でもないかな?。前回は「電気分解で次亜塩素酸ナトリウム」を作ってみましたが、ここからは強アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムを弱酸性にして少しでも使い勝手の良い次亜塩素酸水にしてみる企画です。「自作木酢液」とか「竹炭消臭」等と同じ位置づけとした自己責任の上での掲載です。予めご了承ください。

消毒・殺菌に有効と言う事で急に脚光を浴びている次亜塩素酸…。ウイルス問題で急に需要が上がってしまい、値段も吊り上がり品薄ですね。でも目黒区など公のサイトで公開している「ハイターを希釈する急場しのぎ」での使用はリスクが高いですし、実際に肌荒れなどで手がカサカサになってしまった方もいます。そもそも消毒用の「次亜塩素酸水」とハイターの成分である「次亜塩素酸ナトリウム」はphレベルが全く違うので別物と捉えていた方が安全ですね。

そもそも何でこんな事に躍起になっているかと言いますと、子育て中の方(関東)から「目黒区のホームページを見て亜塩素酸除菌液を作ってみたけど、肌に付けてはダメって書いあるし心配で使えないんだ…」との連絡を頂いた事が動機です。私の両親・妹にもこの目黒区のホームページを教えていますし、母はせっせと清掃に使っています。でも「肌には良くない!」と解っている物を今日も使っていると考えると、気になってしまう訳です…はい。
中国ではハイターと同用途の「84消毒液」を誤った濃度で使い、その気化ガスや噴霧粒子を吸い込んでしまって肺炎を起こした方まで出たとの事。本当の所、どのように扱えば良いのか?の情報が錯綜してしまい困ったものです。(※本当は目黒区も〝ハイターを水で薄めて〟なんて言うのは使わせたくはないのかも知れませんが、複雑にしない為に急場しのぎの苦肉の案内なんでしょうね…)


そんな事が動機となりまして、電気分解実験やらph測定と塩素濃度測定を始めて、今は「中和による弱酸性化」について嫁さんと実験をしている所です。結論から言いますと「たんぱく質を溶かす強アルカリ」を中和して約ph6.5にする事が出来ました。
〝NaClO(次亜塩素酸ナトリウム) + H2CO3(炭酸) → HClO(次亜塩素酸) + NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)〟
後は塩素濃度をいくつにするか?と言う点と、出来る限り簡単に家庭内に有る物で作るにはどうしたらいい?と言った所を整理してレシピを掲載しようと思っています。


Youtubeやブログにも同類掲載がありますが、肝心なところが抜け落ちている物や全く違う事を誤って掲載してしまっている物も多いと聞きます。私でさえも危うさも感じました…。結局、集客ネタになってしまっていているんですよね…。中には、次亜塩素酸ナトリウム生成器の広告をバシバシと入れている物までありました(汗)商魂逞しさには脱帽しますが(^^;

ま…早く使わずに済むようになればそれが当然一番ですし、私が行ってるのは除菌の推奨ではありません。「強アルカリ性ハイターを水で希釈だけして使う以外にも、弱酸性に中和すると良いかもよ~と言う事とその方法のご案内」までです。あと3日程度でまとめ掲載の予定ですが、今は準備品等を掲載してあります。

さてその前にまずは「次亜塩素酸ナトリウム」は、何で体に付くとダメなのか?じゃあどうすれば良いのか?についてです。凄く簡単な説明に留めますが「単独ではすぐに分解されてしまう次亜塩素酸を強アルカリで繋ぎとめているため」です。その「強アルカリ性」はたんぱく質を分解するので肌も溶かしてしまうと言う事です。この強アルカリ性を弱酸性(ph7~6.5)へと中和させられれば仮に肌に付いても許容可能では?と言う解釈です。(※ph上での話のみに限定しますので、過敏症・アレルギー等の方は専門のお医者さんにご相談頂きますように)

準備するものリスト(今回は電気分解せず既製品の中和です)

・衣類用漂白剤「ハイター」
※ピューラックスやミルトンと言う物もありますが、次亜塩素酸濃度が違いますので今回はこの「衣類用ハイター」で書かせて頂きます。あとミルトンは哺乳瓶洗浄用です。これを皆が購入してしまいますとお母さんと赤ちゃんが困ってしまうと思います(実際既に品切れで困ってるみたいです)…なのでミルトンは使わず行きましょう。

※キッチン用ハイターでも作れますが、キッチン用には界面活性剤などの添加物も入っていますので「衣類用ハイター」にしています。
あと、このキッチン用ハイターは本当に少量しか使いませんので買い貯め不要です。2~4リットル作るのに(目標ppmによって異なります)作るのに小さじ1杯しか使いませんので、ご近所分け合いで(笑)。

・「計量スプーン小さじ(5ml)」
・「計量カップ(水の量を測ります)」

出来れば1ml測れると良いのですが、普通は小さじ5mlですよね?出来る限り家にある物で作りたいので、今回は「小さじ5ml」で統一してみたいと思います。

・「炭酸水500cc」
別に1リットル買われてもOKです。残ったらウイスキーの炭酸割で使えますし(笑)。でも、肝心なのは裏ラベルにある成分表示です。香料・甘味料などが入っていない物を選んでください。

・「2リットルのお水1本」
・「2リットルサイズのペットボトル出来れば2本」

水道水でも良いですが、水道水には微量の塩素が混ざっていますので、一応念のため購入。2リットルサイズのペットボトル2本使います。

本当に色々な方法がありますし、炭酸の代わりに重曹を使う…何て言う事も可能ですが、とにかく簡単に安全に!をモットーとして作りたいと思いますので、ひとまず上記材料を揃えてみてください。

今は実際に中和させた次亜塩素酸のphと塩素濃度の変化を観察している所ですので、2~3日後にレシピを書かせて頂きたいと思います。とにかく少しでも漂白剤利用の消毒による肌荒れリスク、体への悪影響と使用不安を軽減できたなら最高です(^^!

それまで、炭酸水をハイボールにして飲んでしまわないように…。つづく…。