2022年6月26日掲載「長距離のヨット航海装備改良」(筆者:レプトン)

はじめに:サイト管理者OPより
石田帆友会のレプトン21さんが長距離航行に向けて様々なご準備をされております。「その様子をシェア頂けないでしょうか?」とお願いをいたしましたところ、こちらの記事を頂きましました!数々の貴重な準備記録をありがとうございます~!

知床岬行を計画していたが、準備が進むにつれ今の楽な生活から離れがたく、気力も下って低空飛行になりとうとう不時着となりました。なげかわしいやら情けないやら。この事を糧にして次に生かしたいと思っております。恥ずかしついでに長距離航に備えていくつか装備改良やりましたのでそれを書いてみました。

① 船外機オルタネータからバッテリーへ充電できるようにした。

元々の切換えスイッチと配線が分からず船外機からの充電はしていなかった。船生活時間が増えるので新しい回路で船外機充電もできるようにして電力不足に備えた。
アイソレーターと切換えスイッチで主副バッテリーへ、先に充電する方を選べるようにした。
(ソーラーパネル充電が有り、主バッテリーに10W1枚、副バッテリーに10W1枚を直結してある。)
(レプトンのエンジン始動はロープ引きで、セルモーターは無い。電気は航海機器と生活用です。)

▲ 立上り面の左スイッチで先に充電するバッテリーを決める、右はアイソレーター。

▲ アイソレーター回路図。主バッテリーが先に充電され、終わったら副バッテリーの充電に自動で移る。

② コンパニオンウェーに手すりを取付た

以前からコックピットに安心な手すりが欲しかった、波高の時は揺れて何かにつかまらないと倒れます。フィシャリーナ大掃除で出たゴミに手すりに使えそうなパイプが目につき、訳を話してもらい受けました。

▲ 頂いたパイプ

▲ 切って真ん中を溶接

▲ 置いて眺めて取付手順を思う

取付きました、ガタつき止めに金具にパテを押し込む

③ コンパニオンウェーに付けた手すりを受け材にしてに日除け屋根を置く

②の手すりを見ていたら日除けの屋根を思いついた。夏の日差しで消耗しないようにアルミ複合板を置く、ひもで結んで簡単に脱着しやすく柔軟で壊れにくく。

アルポリック板880×935 3ミリ メインシートの2cm前で細い棒で屋根の片側を受けている。

④ 船尾に110cm高さの手すりベルトを付けた。

左舷の船外機を上げ下げする棒と同じようなものを右舷側にも立て、110cmの高さでベルトで繋ぐ。
立った態勢での安全手摺です。

▲ ピンク色の手すりベルト30ミリ巾。(船外機の上げ下げは棒の上からテークルを組んで引き上げる)

⑤ 鍋止め板

コンロの鍋はピッチングすると前後に滑ってひっくり返ります。ローリングでも動かぬように止め板を作りました。試作ですがこれでひっくり返らなければ大助かりの予定。

▲ 止め板の剛性が弱いので手前をボールチェーンで閉じる

⑥ 総論

廃材で作るからか、何だかホームレスさんの家みたいになってきた、すみません。まーいいか。
装備を変えても家の快適さを越せない、そんな事ではなく、どれだけ航海してそこへ行きたいのか、その思いの深さ力が行動を決めるのだ。あー、そーかなー?。