2019年9月6日~7日「 能登半島の先っぽを越えて日本海へ」(筆者:レプトン)

能登半島を越えて日本海へ出てまいりました。

能登半島の突端に有る禄剛崎(狼煙)[ろっこうざき のろし]灯台を越して日本海へ出てまいりました。
日頃のセーリングは富山湾です。その湾の西側は能登半島で、それは長々と日本海へ突き出て巨大防波堤となり湾内を静めています。そのため、外洋に対する劣等感?、のようなものが片隅に有って、一回純正日本海へ出てみれば隅っこが晴れて次の計画に色々役立つのではないかと思いやってみました。
参加艇は具合の合わせれたオペラとレプトンの二艇。互いが救助艇役になるのでとても不安が減ります。それにしても、「のろし」を漢字で「狼煙」と書きます、オオカミの煙ですか。何とも意味深な世界です。

2019年 (令和元年)9月6日(金)
石田フィッシャリーナ出港3:50→ 禄剛崎灯台から日本海へ12:00 → 七ツ島へ向ける → 狼煙漁港へ反転帰る13:00 → 狼煙漁港着岸13:45
風無し、雲も無く星空が広がっている、天気予報の通りだ。
出港は3時50分、暗い港、ヘッドランプで港口岸壁を照らし慎重に出る。右手の先の定置網をかわすまで針路を320˚に取り暗い海を行く。網浮きの弱い点滅光を後ろに見てから生地灯台の沖に向かう。そこで針路を4˚に合わせ、長手崎灯台に向ける、船ナビでも確認する。

5:30
後立山連峰が海へ入る辺りから朝日が昇る。色が様々に変わり、あたりは静かに光りはじめる。
きれいな夜明けだ。

7:08 空晴れ海は静か。北東3m クローズホールド 機帆走5.5kt
来し方に北アルプスが高い、救助船も続いている。行く先には能登半島が左から伸びてきて船の先で霞んで終わっている、そこが長手崎灯台だろう。

9:07 北北東2m スタボクローズホールド 機帆走5.2kt
長手崎まで9nm、風が落ちた。漁船が5隻並んで操業している陸寄りを横断する、海鳥が一帯の海面におりて賑やか、漁船を双眼鏡で見て不安になる、船尾から太いロープが海に下りている。あーー、網を引いているのかなヤバイ、オペラからも巻き網に注意とトランシーバーが鳴る。
幸いに前に網は無くて進めたがドキドキ不安な思いをした。

10:16 北2m ジブを巻く 5kt強
いよいよ長手崎灯台が近づく、この灯台はなぜか遠くからでも見つけてしまう妙な白さが有る。
風は北になり正面から来る、ジブを仕舞いメインはファッションになる。
シバーしてもゆったり
動いてくれるので助かる。

11:30 北~東2m 5kt
10:50に長手崎灯台を左横に見て今姫島灯台を右に見て越した、風が定まらない。
姫島は凪で飛沫が上がらず寝ているように静かだ。灯台の左側へ列島のように岩礁が続いている。

12:07 東3m スタボクォータリー 帆走 3kt
禄剛崎灯台を越し、ついに純正日本海へ出た。近づくまで灯台は森の茂りで見えにくかったのだが外洋へ出れば当然まったくよく見える。
山裾から台地が広がりその先に白い禄剛崎灯台が
鎮座していた。(12時に灯台からの音楽が聞こえた)
風は東に変わった、輪島沖の七ツ島は見えなかったがそこに向け針路を289˚に取りしばらく帆走する。
出た日本海は少し船の揺らしを大きくしてくれたがそれより海の空間識が大きく
広がるのを感じた。

13:30 南東4m ポートクローズ 4kt 
泊地の狼煙漁港へ向かう。狼煙は灯台のすぐ下に有る、家の屋根が小さく幾つも光っている。
双眼鏡で港口の赤灯台を確認する。

13:45 着岸 (写真は15:30に撮った物)
オペラが先に入港して初めての港状況を掴む。港口からすぐ左の船溜まりに着けた、何もない静かなゆったり岸壁、でも高いので乗り降りは注意が要る。
手前のガードレール下に発電機が回っていてオペラの船内は快適空調でホテル並み。
灯台寄りに有る道の駅を見に行く、そこに有った須須神社奥宮でお参りして道駅で豆乳ソフトクリームを食べ、角の禄光旅館の内湯に入り汗を流して新しい汗をかいて船へ帰る。

2019年(令和元年)9月7日(土)
狼煙漁港出港5:05 → 長手崎灯台沖6:20 → 富山湾を南下 →
石田着岸=オペラ12:45 =レプトン着岸13:05

6:10 南東3m ポートクローズリーチ 機帆走5kt 波0.3m
狼煙漁港を出たら向かい波が0.5m、ピッチングをしながらセールを上げた。姫島に舵を切る辺りから波が静まった、純正日本海から離れたからだろうか。 姫島の門をくぐり長手崎灯台をめざす。

8:30 南南西3m スタボクローズホールド 機帆走5.3kt
6:20に長手崎灯台と別れて母港石田へ向かう。正面には帰り戻る富山の山が薄青色に高く大きく見えている、ふくよかな山稜を見て僧ケ岳だと思いその麓へ船首を向けて進む。
しばらくしてトランシーバーからオペラさんの声が響く。レプトンはどこに向かっているんですか?
ウニャムニャ・・、船ナビで来た航跡を戻っているのがオペラさん、それならレプトンはどこに行くのか。
後立山連峰の北端に向かっていました、互いに離れていくはずです。たかをくくっていた自分にガックリする。
いい勉強になりました。船ナビ命です。

11:45 東4m 6.3kt ポートアビーム 機帆激走
ふるさとの山々は薄青い空気に浸かって良く見えている。
生地のYKK工場の右に石田とおぼしき町が見えてきた、残暑厳しく晴れたる空の下、この調子で何とか帰れそうな気配だ、あと少しを楽しもう。

石田フィッシャリーナ着岸13:05