2018年8月18日-19日「術後初シングルハンド!愛艇に再び乗れました」(筆者:レプトン)

2018 H30 8/18(土)~8/19(日)一泊二日で氷見漁港の往復をしました。 
実は昨年右手小指の腱を切りました。手術をしたのですが出来が悪く再手術。最近ようやく指が手が使えるようになってきましてヨットも一人で操船できるのではないかと思い、試しに氷見漁港の往復を思い立ち乗ってみました。

2018年8月18日(土)

11ヶ月ぶりの試し乗りは氷見漁港を目指す。航程は21Nm、一泊して帰る。
氷見漁港の泊地は芝地のミニ公園で、スーパーと温泉も近くて快適な所で気に入っている。

9:40 石田港出航
 

廃漁船をトレーラーに積み、別の漁船を下架した後にレプトンが下ろされた。
一旦舫ってからエンジンをかける。一昨年買ったトーハツMFS6SPはすぐにかかり音も軽い。
後進離岸後、港口へ向かう。
北4m 晴れ うねり1m 針路275°連続猛暑の中休みでキャビンの温度計は27℃、アイの風(ご当地の北風の呼び名)が吹いて快適だ。到着時間が大事なので機帆走で進む。

10:20
石田HMのT氏から電話が来た。富山新港横に巨大船らしき物が見えているので、レプトンが近くなんでそれが何か?その確認でした。双眼鏡で見る。巨大船に見えていたのは発電所の新造LNGタンクでした。ご当地は蜃気楼の本場なものですから、竜宮城も有るので確認は大事なんです。

11:00
北5m 5Kt超 たまにでっかいうねりが来る。左舷でふくれあがった波は北アルプスの上まで大きくなり陸を隠す。津波はこんな感じなのかと想像してみる。
岩瀬港を出たタンカーが1Nm先を横切る、空身になったのでバルバスバウが丸見えだ。目指す氷見漁港の上には巻雲が有る、横に巻積雲もある、空は高く晴れて秋のような感じだ。
急に大きくローリングする、思わず右手でこらえてしまうが本調子でない手には良くない。注意していこう。

12:00
北4m 機帆走4.7Kt 富山新港から出てきた海保が後方へ進んでゆく。後部甲板がフラットなのでヘリコプターが置けるのだろう。うねりが少し収まってきた、代りに波(0.7m)が目立ってくる。左手の二上山が大きく近づいてきた。

14:20
氷見漁港着岸 漁港内もサザ波が立っていて、舫いをしっかりしなければと思う。船をピットの位置に合わせて二本のロープを引いて前へ動かす、21フィートだから軽く動く。
舫いと整理を終え一段落して港と船を改めてマジマジと見る。右手は大丈夫そうだ、この氷見まで航海できて舫う事ができた。しみじみとこのありがたさを反すうする。海が荒れなければこの先も何とか乗っていけそうだ。

後ろ横に観光船の発着場が有る。今日は波があるので漁港内を一周してから港口まで行って戻ってくる。氷見には大きな海鮮民宿がたくさん有り観光客も多いのだろう、乗船客は途切れない。
レプトンのすぐ横に有るベンチに座り明日の海象をスマホで調べる、風波は小さくなっていくようだ。安堵して総湯温泉へ向かう。いつもながらの塩辛いお湯に浸かる、露天風呂で体を過ぎてゆく風が気持ちいい。

帰る途中の斜長橋の真ん中辺から氷見漁港の上に剣岳に日が当りベージュ色に見える。左には毛勝山、その左に重なる後立山の山々は濃いグレー色だ。
山は思いのほか小さい、ジオラマのようだ、家から見るあの山の重量感がない、小さな北アルプスだ。
橋の終わりへ来たら製氷棟の上に立山雄山が見えた。台形で安定した形、これもベージュ色だ、そして鎮座する場所が後に奥まっている。随分身分が高そうだ。遠くて小さいのがそれを増幅している。立山雄山は一段高い品格の有る山だ。

夕食は近くのスーパーで買った、刺身盛り 握り鮨 とうふ ワイン(6月の角マ丸に便乗時と同じ)。
すぐ横の小さな休憩屋根の下にイスを広げ、ベンチをテーブルにする。岸壁の縁や芝地に腰高のポールが有って灯りが点く、清々として落ち着く。ワインと冷奴が合う。持参した鯵のフライもうまい。風がそよいで気持ちが良い。一人あれこれと想いを肴に心満ちる時間が過ぎていった。

2018年8月19日(日)

今日は、石田母港へ帰ります。帰巣本能ではないが、昨日から母港へ帰るのがなんだか嬉しい。
3:00に目覚ましがピッピッピッと鳴り目が覚める。
船は揺れなく静か、ピチャピチャの波音もしない。天気予報では海は穏やかになると言っていた。風も9時頃までは弱い南風なのだが、はたしてどうだろうか。ふと、漁船の引き波が無い、漁港全体が少し静かである。公園の洗面所で顔を洗い髭も剃りさっぱりする。

4:50 
前で岸壁を蹴って離岸、風は無い。日の出前の薄暗い中で両色灯の色が綺麗だ。密かに出る雰囲気だったが、赤灯台には早、釣り人が二人いらっしゃいました。こちらの赤色電気浮きも目立ちます。港口を出る、波は無い、昨日の名残のうねりがゆるやかに東からなびいて来る。

5:10 
朱色の太陽が北アルプスが日本海へ没するところから上がってきた。頭の上の空は小さく青空になって、巻雲も見える。海には釣り船が少し見えるが漁船は一隻だけだ。
南2m、うねり0.6m、針路90度、機帆走4.7Kt

6:30 
南4m、うねり、機帆走6.2Kt、風が出てきた。スタボードのアビームで快走。雲の多い空、見える陸もモノトーンだ。

8:00 
南3m、機帆走4.5Kt、波は又穏やかになってきた、うねりは北東からくる、石田まで4.5Nm

石田のキャンプ場の森がはっきりわかる。早く着き過ぎなので初めてエンジンを止めた。船はゆっくりと進む、静かになった船上にプチャプチャと波音が大きい。船速は2.3Kt。好きなグレープフルーツ食べる、ナイフで切っていく時、これはどんな味がするかいつも楽しみだ。石田に近づいたら風が更に弱くなった。

9:50
母港の上架桟橋に着岸。舫いロープを引いてクレーンのベルトに合わせる。
海象にめぐまれ、今また一人で帰ってこれるようになった事のありがたさをしみじみ思う。